長く人生経験を蓄積してきて、それでも「自分が果たすことができなかった願望」というものは、あるものなのでしょう。こちらの男性は67歳になってから性別を変更しました。
生まれ持った性別と、自分が認識している性別が異なる「トランスジェンダー」の方です。社会の風潮もあって、男性として生きなければならない外見と、本当は女性になりたいのに・・・という意識の間で長く苦しまれてきたのではないでしょうか。
そんな「精神的な違和感」を感じてきた方が、実際には相当数いらっしゃるようです。この記事ではそんな男性(現在は女性の76歳)の方の生き方をご紹介したいと思います。
67歳・気づき
現在女性として生きている小百合さん。彼女が自分自身が抱えている幼少期からの「違和感」に気付いたのは60歳でした。
男性として結婚・子育て・離婚を経て、還暦を迎えた頃でした。彼女が生きてきた時代は、現在ほどLGBTQなどの理解が浸透しておらず、なんとなく違和感を感じながらも、自分の性に対する苦悩を抱えたまま過ごしてきました。
誰にも相談できず、男性として生きてきた数十年。離婚後数十年を経て「セクシャルマイノリティ」の当事者と出会うことになります。
その出会いが幼少期から抱いていた「違和感」に気づくきっかけとなったのです。LGBTQ(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・クイア)の方々が集うダイニングバーに通うようになって気付かれたのです。
イベントなどにも参加して、こんなにもセクシャルマイノリティと呼ばれる方々が多いことに感動し、ご本人は「居心地が良かった」そうです。
67歳・決意の診察
小百合さんはイベント参加後の数年後、自分自身の「違和感」をハッキリさせようと、62歳の時ジェンダークリニックを訪れました。
小百合さんが社会人として働いていた時代には、このようなクリニックも無かったので、かなりの決心が必要だったと思います。
そのクリニックで「性同一性障害」という診断を受けます。自分が思っていた通りの診断でしたが、診断名をすぐに受け入れられたわけではなく、診断名を告げられてからも、ご自身の中で思い悩む日々が続いたことだろうと思います。
小百合さんは悩んだ末、67歳で「性別適合手術」を受けました。現在の日本の法律では、手術をしなければ「戸籍上」女性にはなれません。
戸籍上も肉体的にも「女性」となった小百合さんはそれまでの人生の「違和感」を解消し、念願だったロリィタ服を着ることができて充実した日々を過ごしています。
67歳・性転換まとめ
カミングアウトが出来ずに、自分の中で葛藤し、クリニックにも行けずに悶々としている方々が多いと思います。
小百合さんも「あなたのそばにもいるんだよ」と伝えています。自分の性の問題で日々悩んでいる方は案外多いのです。
デリケートな問題ですから、家族にも言えないし、なんか違う!と感じていてもどうしたらよいのか分からない。社会の視線も気になってしまう。
小百合さんのように67歳になって手術を受け、戸籍上の性別も変えるということは、相当に勇気もいります。また、親への報告なども大きな重荷となることでしょう。
それらの事を乗り越え、小百合さんは現在、本来の自分を生き生きと過ごしています。ロリィタ服で街を歩くのが楽しい、と語ります。
もし自分の性に関しての違和感を感じておられる方は、診断だけでも受けてみた方が精神的に安定すると思います。
気持ちが不安定な時に・・・https://kim-kuni.com/harukokoro/
LGBTQについての理解を深めましょう・・・https://tokyorainbowpride.com/lgbt/
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